| 加藤シヅエ(日本家族計画連盟会長、ジョイセフ会長)は、パイオニアとして1920年代から産児調節運動と女性解放運動に携わり。戦後は、日本発の国会議員に選ばれ、以来28年間、国政の場で女性問題をはじめ外交や環境保護の問題に、精力的に取り組んできた。 また、IPPEF(国際家族計画連盟)の創設にも参加するなど、国際的にも重要な役割を果たしてきた。その功績は国連からも高く評価され、1988年には日本人として初の「国連人口賞」を受賞した。真の意味で女と男の平等な社会が実現することを願うその信念は、満104歳を迎えた今も少しも変わることがない。 「加藤シヅエ賞」は、加藤シヅエの長年の功績を称え、その高い志と精神が次世代にも長く引き継がれるよう、また、将来を担う女性を鼓舞し育成することを目的として1996年に創設された。発案者は、IPPFのアティヤ・イナヤトゥラ前会長である。 この賞は、日本国内または開発途上国の女性のリプロダクティブ・ヘルスおよびリプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する健康および権利)の向上と、女性のエンパワーメントの実現に向け、自薦活動を行っている日本在住の女性を対象としている。 |
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【これまでの「加藤シヅエ賞」の受賞グループ】 |
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【審査委員(2001年)】 落合 恵子(作家) 金森 トシエ(フリージャーナリスト) 國保 良江(東京新聞論説委員) 樋口 恵子(東京家政大学教授) 丸本 百合子(百合レディスクリニック院長) |
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| 早いもので、「加藤シヅエ賞」授賞式も今年で5回目を迎えることになりました。受賞者は、今年も含めますと9件を数えます。受賞なさった方々は、いずれもジェンダーによる差別と社会的不公正に憤りを感じ、社会的弱者に対するシンパシーをもって行動を起こされました。私が何より嬉しく、また心強く思うことは、未来を託せる若い世代がここにいると確信できることです。いまから70年以上も前に私が産児調節運動を始めた当時は、同じ志をもつ女性の仲間は少なく、孤独な闘いを強いられました。しかしいま、受賞グループの女性たちは女同士の連帯であるシスターフッドで結ばれ、さまざまな活動を通して女の性や健康の問題に関わっています。
今回受賞なされた「ダルク女性ハウス」の皆さんは、女性の薬物・アルコール依存症という問題に地道に取り組んでこられました。この問題には社会的偏見が強く、また背後には、女性に対する暴力や幼児期の虐待などがひそんでいることを考えますと、日々の活動には想像を超える困難があることと思います。ダルクの活動が、もっと広く社会的に認識され支持されることを願います。「アジアの女性と子どもネットワーク」は、途上国の女性と子どもを対象に支援活動に取り組んでこられました。普通の女たちの日常感覚を生かし、さまざまな工夫をこらしながら、市民による国際協力を推進している姿勢には、心からの共感を覚えます。 1995年に北京で開かれた世界女性会議を契機に、日本政府は男女共同参画社会の実現に力を入れ始めました。ご存じのように、一昨年には男女共同参画社会基本法が制定され、それに沿って行動計画も作成されました。また本年4月には、家庭内暴力防止と被害者の救済を目的とした通称DV防止法が制定されました。折しも、現内閣によって構造改革が叫ばれておりますが、男女共同参画と銘打った一連の政府・国会の動きが、ジェンダーによる差別の構造改革につながることを願います。 思えばこれらの法律や政策は、本賞受賞者たち、そして惜しくも選にもれたその他多くの応募者たちのような先駆的活動が、いわば推進力になったといっていいでしょう。一見小さなグループの活動でも、そこに蒔かれた社会改革の芽は着実に育っているのだと思います。 なお、「加藤シヅエ賞」の審査は、落合恵子さん、金森トシエさん、国保良江さん、樋口恵子さん、丸本百合子さんが担当して下さいました。来年からは審査委員が新たなメンバーで再編成されます。この機会をお借りして、過去5年間誠意と情熱をもって審査に従事して下さった5名の委員の皆様に、心からお礼を申し上げます。 リプロダクティブ・ヘルス/ライツは、広範囲にわたる根の深い問題を含んでいます。今後とも「加藤シヅエ賞」は、この問題に取り組む女性たちを励まし、ささやかながら、よりよい社会をつくっていく一翼を担って行きたいと考えます。私は104年の歳月を生きて参りました。しかし、私の心の中では「闘う心」がまだ小さな炎を燃やし続けております。このことを最後にお伝えし、私から受賞者の皆様、そして会場の皆様への励ましの言葉と致します。 |
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